さあ、俺と秘密をはじめよう


「分かってるよ。病欠だって伝えておくぜ」

あははと笑う尚弥。

「まあ、のんびりとサボりを充実してください」


尚弥たちは教室から出て行った。


(さてと、どうすかなー…)

誰もいない教室。こうして見るとこの教室も結構広い。


静かになってるから、そう余計に感じてしまうのだろう。


特に何もすることがない俺はとりあえず教室を出た。


ここで俺が優等生なら確実に自主課題をするのだけれどあいにく俺は優等生ではない。

勉強はどちらかというとあんまり好きではない。

まだ体を動かしたり、作曲したりするのが好きだ。



そして、なんとなく足を運ばせてたどり着いた場所が屋上だった。

眩しく温かな日差し、空はどこまでも青く広い。

(快晴だなー)

気分が良い。俺は給水塔の上に登り空を見上げた。

そこに寝転がり仰向けになった。

ぽかぽかとした日が眠気を誘う。

(少しくらいなら…眠ってもいいかな…)

そのまま重たい瞼を閉じた。













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