さあ、俺と秘密をはじめよう
担任が来るまで私はクラス中から存在自体批判され、
暴言を吐かれた。
こういうのを言葉の暴力っていうんだと思う。
特に私は気にしていない。いつも言われていることだ。
泣くこともなければ、私自信傷つくこともない。
(私、枯れてるのかな…)
教室の窓の外を見た。
空がすごく青くてそれはどこまでも広いのだろう。
(鳥になりたい…)
そして羽ばたいて。どこか飛んでいきたい…ここではない場所に―――どこかに――。
ここは私にとって鳥かごのように窮屈で退屈な場所だ。
居場所もないのだろう。
「おい、聞いてんのかよ!」
机を蹴ってきた勝重君。
「お前マジでうざいわー。何か言えば?」
見下したような目で私を見てきた。
そんなにウザいなら私を見ない方がいいと思うし、言ったら言ったでキレてくると思うからあえて私は言わないようにしている。
「あんたさー、大樹が言えって言ってんだから何か言ったらどうなのよ!」
森さんがキレ気味に言って、私のところへ寄って机を叩く。
「何か言えって言ってもあなたたち、幼稚なことしかしてこないじゃない。私がそれにどう応答すればいいのか正直言って苦労します」
そう言えば、森さんは顔を真っ赤にして怒り、私の胸ぐらをつかみ取る。
「ふっざけんな!あんた何様のつもり?」
(だから、言ったじゃないの…莫迦らしい…)
「ちょっと勉強ができるからって偉そうにして、人を見下して、地味子のくせに!このドぶす!」
見下しているつもりは毛頭ない。
地味なことは否定するつもりはない。そして私は偉くもないし、勉強は出来る方だけどそれは努力の結果だ。
ただ、両親に認めてもらいたい、私を見てほしいって思って一生懸命勉強を頑張ってきた。
だけど、それは決して報われることがなかった。
なのになんで私はまだそんなことを続けているのだろうかとさえ、自分の行動に疑問を問う。