きみ、ふわり。


「何お前?
 彼女のうんこ待ちだったの?」

 呆れて問えば、

「嘘に決まってんだろ? お前バカなの?」

 悪戯っぽく笑って言い、さっさと自分だけ教室を出て行った。



 何あいつ?

 本気でムカついたんだけど。
 『本気』と書いて『マジ』と読む勢いなんだけど。


 けど俺――
 あの子のことが好きなの?

 少なくとも悠斗にはそう見えている訳だ。


 今まで、来る者拒まずで性欲は充分満たされてきたから、敢えて自分から女子を選ぶなんてこと、したことないし。

 だから、良くわからない。
 『好き』とかそういう気持ちが。


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