幸せの作り方
勉強も人一倍して専門学校にも卒業したし、お洒落だって楽しんで。
自分の生きたい道を歩んできたつもり。
今更歩きたいとか、
障害を恨んだりはしない。
悟っていた。
“脳に影響がない”
まあ、生きていく中でこれが一番有り難く、厄介なのだけど…。
綺麗に茶系のグラデーションを塗られた瞼の上に、濃いめのつけまつげを重ねた。
「でーきたっ」
最後に鏡で確認をする。
そこに映っていたのは、艶やかな黒髪にパッチリと化粧を施した二十歳の女の子だった。
後片付けをし、私は部屋をあとにした。