スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
「それで憲吾は…一緒にいるの…」


里美は嘘をつこうか悩んでいた。


里美の彼氏と言った方が母親を心配させることはない…


だけど…


「里美…貸して…」


応対に困っている里美を見て、晴香が左手をのばした。


「もしもし…ママごめんね」


「晴香…何があったの?」


「電話だと長くなるから、行って話すから…」


「わかった…まずおいで」


憲吾の車の後部座席に里美と座った。


車で5分とかからない晴香の実家に着くと、母親が心配そうに出てきた。


「憲吾、里美ちゃん、迷惑かけたね~中入って…晴香~どうしたの~」


痛々しい娘の姿を見て、驚いた様子だった。


中に入ると、父親は留守で、居間には晴香のために布団がひいてあった。


「晴香、横になって…待ってね~今飲み物でも…」
< 139 / 536 >

この作品をシェア

pagetop