スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
晴香をチラッとのぞくと、やはり薬のせいなのか…


眠気がくるようで、うとうととしている。


もうすぐ、嵐のようにあの親子がやってきて、やっと落ち着いてきた晴香の気持ちをまた乱すのだろう…


もしこのまま許されるのなら、晴香を連れて、誰もいない、誰にも知られない静かな場所に晴香と、時が止まったように、二人で一緒にいられたら…


そんな妄想までもが、憲吾の気持ちの中にはあった。


車のエンジン音が、玄関前で止まった。


憲吾は、さっき憲吾の母と打ち合わせておいた通り、祐輝が来たら、合図にカラメールを送るといっていたので、メールを送信した。


皆の顔が、緊張感でこわばっている…


晴香も、車の音に気がついたようで、目を覚ました。


里美と憲吾は、晴香の母に合図されて、キッチンの方に呼ばれた。
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