スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
憲吾が話しかけようと思った時に、晴香の携帯が鳴った。


「実家から…」


「早く出なよ。俺と一緒にいるって言ってもいいから」


晴香の電話の様子からは、読み取るのは難しい。


携帯を切った晴香に


「大丈夫?」


と聞くと


「祐輝が電話してきたみたいで、ママお風呂に入ってるって誤魔化してくれたみたい…今日泊まるって言ってくれたって…」


「帰らなくてまだ大丈夫かい?」


「帰りたくない…」


憲吾は、晴香には言わなかったが、自分の気持ちを確かめていた。


晴香が自分を求めるなら、この先晴香と世利を引き受けることもありかな…


ただ、今の晴香にそれを言ってしまうと、晴香が悩んで苦しくなるような気がして、言えない…


今は晴香を優しく包んでやることが、一番と感じていた。
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