僕は父上の妻が欲しい。
花言葉
いつだって、
「くっそぉぉおーっ!」
そう言って男の人は床に突っ伏した。
賭け事で、私みたいな女に負けることがよっぽど嫌だったらしい。
・・それにしても弱かった。
「はい、時子様。砂金で御座います。」
「あぁ・・ありがとう」
でも、もう砂金は私にとって価値はない。
賭け事に勝ちすぎて部屋には砂金が溢れかえっている。
でも、いらない、なんて言ったら
この人にもプライドがあるからそんなこと言わない。
嬉しそうに、尚且つ華やかに
私は「姫」らしく笑いながらそれを受け取る。
最近、時の都「京」では
「賭け事」というのが流行っている。
そして、私の父
「平時信」
は超がつくほどのお金持ちで
その屋敷にはお金を持て余したたくさんの人たちが、
毎晩賭け事をしにやってくる。
私は娘なので、その人たちに白湯を出したり
時々賭け事の相手をしたりする。