僕は父上の妻が欲しい。
私は女のくせに、賭け事に強いと評判なのだ。
だから皆私を知っている男は、
私に相手を頼まない。
さっきの人は初めての来客だったから私に頼んできた。
賭け事は
「双六」や「碁」が主だった。
ふぅ・・。
今は誰も私の相手をしてくれないから暇だ。
誰か、私の相手をしてくれないかなと、部屋を見渡していると
部屋の端に、欠伸をしている暇そうな男の人がいた
お・・、あの人は初めてみる顔だ。
暇そうにしてるし、私の相手もしてくれるはず。
そう思って
「こんばんは。私の相手をしてもらえませんか」
とその人の顔を覗き込んだ。
整った鼻筋に、
二重でぱっちりとした瞳
歳はだいぶ彼の方が上だと思うけど
不覚にも胸が高鳴った。
その人はきょとんとした表情で、
「俺ですか?」
と言った。