僕とあの子ともう1人
「どうして?ねぇ?」
お母さんは僕に怒鳴りながら聞く。
『…』
「南雄が生きていれば…」
また僕のレッテルに傷が付いた。
南雄… 南雄… 南雄…
『ごめんなさい、本当に』
きっとこの、〈ごめんなさい〉は嘘だ。
死ぬのは兄じゃなくて僕が相応しかったのかもしれない。
そんなこと、改めて思うことじゃないのに…
今更って話しだ。
「ほんとよ、どうして南虎…
そんなことしたのよ…」
僕はまた罪悪感に包まれた。