僕とあの子ともう1人




『僕は、祢緒のことが好き小さい頃から好きだった。
 
 それは知ってるよな?』


「あぁ、知ってるよ。

 でも…、双子の兄が…」


『あぁ、その通りさ。
 南雄、兄貴を好きだったんだ、祢緒は。
 
 そんなある日、僕が1人でサッカーボールで
 遊んでたらボールが車の目の前に転がったんだ。
 
 兄貴はそれを取りに行って、死んだんだ。
 それから僕は罪悪感に包まれた。
 
 両親は南虎のせいじゃないと言ってくれたが、
 その反面攻められてる気がしたんだ。

 そんなこんなで高校生になった僕は未だに
 祢緒が好きで好きで仕方ないくらい。

 祢緒が先輩と付き合ってことあったろ?
 あの先輩は遊びだったんだ。祢緒を利用し
 ようしてた。僕はそれを知ってからカチん
 と来て、〈殺した。〉先輩を殺すのは僕の
 計画だった。でも空は違う。途中から空が
 転校してきただろ?きっと空は僕と似たよ
 うな思いをしてたんだと思う。だから“死
 んじゃ駄目”って言いにきたんだと思う。
 
 でも、僕は空に酷いことをしたんだと思う。
 僕の目の前で〈自殺した。〉

 これがこれまであった出来事だ。』



隆雅は、唖然としてる。

それもそうか。



人を3人も殺してる、

僕は殺人鬼なんだから。





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