あなたたちは私の宝物
受付した番号で呼ばれる

緊張しながら中へと入っていく私

問診票を書かされた

産婦人科の問診票なんて書くのは初めてだし
どう書けばいいのかわからないままだった

親切に妊娠の可能性についての問診があった

最後に生理が来たのはいつだったのかとか
自分でも思い出せないような事を書かされた

体重と身長を測って体温と血圧も測る

それからようやく診察室へと通される

50代位のおじさん先生

眼鏡をかけていてダンディーなおじさん

問診票を見て、言った

『妊娠の可能性があるという事ですね?』

『はい』

『では、ベッドに横になって下さい』

ベッドに横になると看護士さんが隣へ来て
私にお腹を出すように促してくれていた

先生は超音波の準備をし始めて
機械に何かゼリーのようなものを
絞って塗っていた

ヒヤッとした感触がお腹に感じられた

先生はモニターを見て私のお腹に当てた棒を
ゆっくりと動かす

そしてゆっくり言った

『ちゃんと見えますよ。赤ちゃんは元気です』

私の妊娠が確定した瞬間

それから看護士さんが
私のお腹のゼリーを拭き取ってくれた

『内診もしますのでもう一度待合室で
待ってて下さいね』

お腹を拭き終わった看護士さんが言った
< 10 / 41 >

この作品をシェア

pagetop