あなたたちは私の宝物
その日の夜、マサと2人超音波写真を
見ながら幸せを感じていた

『小さいだろうけどちゃんと
アキのお腹で生きてるんだよな』

『うん。私たちの子供がここに居るんだね』

お腹に手を当てた

今日見た妊婦さんのように
お腹が目立つわけじゃないけれど
私だって妊婦さんの仲間入りをしたんだ

『予定日は3月かぁ。まだまだ先は長いな』

『そうだね。でもきっとあっという間だよ』

それから大事な話をした

母子手帳の事

私のママが結婚を認めてくれない限り
私たちは婚姻届を提出出来ない

私の名字はいつまでもマサと一緒にはならない

住所だって、違う町のままになってしまう

それでもお腹の子供の成長は止められない

検診に行かなければならない日が決まってる

それまでに何とかしなければいけない

マサも悩んでいた

『次の休みにもう一度2人で
アキのお母さんに会いに行こうか。
ちゃんと話してみよう』

『うん、そうだね。
ごめんね、あんなにヒドい母さんで…』

『アキのお母さんが普通の考えなんだよ。
まだ18歳の娘が妊娠したから結婚するなんて
喜んで、はいどうぞなんて言う
親はなかなか居ないよ』

『そっか…。でもまたヒドい事ばかりを
言うと思うけど気にしないでね』

『大丈夫だよ。ちゃんと覚悟は出来てるから』

マサは微笑んでくれた
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