空しか、見えない
【AM 1:47】
〈ただサセに、おやすみって言いたかった〉

 のぞむからは、もう一度そう返信があった。あれからまだ飲み続けて、酔っているのかもしれない。

「ばっかじゃない」

 今度は返信ではなく、佐千子は言葉に出してそう言ってみた。言いながらも、どこか気持ちはほころんでしまう。
 しない、しない。返信はしない。そう思いながら、携帯電話をじっと見つめてしまう。
 やがてぴぴっと短い着信音が鳴り、暗い部屋で電話が光った。
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