空しか、見えない
 苦手な英語を自分なりに翻訳しながら頭の中に思い浮かべていくだけで、佐千子は、自分の考えの矛盾に気づかされていくようだった。
 どうしたらよかったのか? などというのは甘えだ。何も、してこなかった。のぞむに連絡を取ってみることも、どこで何をしているのかを探してみることもしなかった。途中からはもう、彼を案じてもいなかったかもしれない。のぞむに対して、どこか恨めしい気持ちを抱きながら、ただじっと待っていた。
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