空しか、見えない
 自分を必要としているなら、追いかけてきてくれるはずだと信じていた。
 傷つくのが怖かったのだ。いつしか自分はそんな弱虫になっていた。
 結局、ルーへの送信は、必要なことだけを書いたとても短いメールになった。
 送信ボタンを押すと、佐千子は、もうすっかり冷えてしまっていたカフェオレを飲み干す。カップには、いつもより赤いグロスの跡がついた。

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