フィレンツェの恋人~L'amore vero~
私が興奮すればするほど、パスカルは穏やかな口調になった。
「Oui,Parce qu'il est (うん、だからだよ)」
煌は君のところへ行くよ、と。
君のところ以外に行く場所なんてないだろうからね、と。
なぜそう思うのか訊くと、パスカルは言った。
君は煌の心の拠り所だからだ、と。
「bleu clair (水色)」
パスカルの言葉にハッとした。
「les fleurs des champs (野原に咲く花)」
なぜ、その言葉をパスカルが知っているのか訊いた。
それは君の事だろ、華穂。
僕は幼い頃から煌を知っているから、分かるんだよ。
煌は誰にでも簡単に自分の事をべらべら話すような人間じゃない。
でも、君には違う。
華穂。
君はまだ何も分かっていない。
鷹司煌、という極めて難しく繊細なひとりの人間のことを。
華穂は煌にとって初めての特別なんだと思うんだ。
孤独な自分をさらけ出せる唯一の存在なんだ、君は。
だから、煌は君のところに行くはずなんだ。
と、パスカルは物語の結末を分かっているような言い方だった。
そこまで言いきられるともう、頷くしかなかった。
「Oui……J'ai compris (分かったわ)」
煌が来たら連絡する事を約束して電話を切り、時刻を確認した。
20時。
もうこんな時間……。
21時になっても、22時になっても、23時になっても。
煌は来なかった。
でも、日付が変わって間もなくの事だった。
「Oui,Parce qu'il est (うん、だからだよ)」
煌は君のところへ行くよ、と。
君のところ以外に行く場所なんてないだろうからね、と。
なぜそう思うのか訊くと、パスカルは言った。
君は煌の心の拠り所だからだ、と。
「bleu clair (水色)」
パスカルの言葉にハッとした。
「les fleurs des champs (野原に咲く花)」
なぜ、その言葉をパスカルが知っているのか訊いた。
それは君の事だろ、華穂。
僕は幼い頃から煌を知っているから、分かるんだよ。
煌は誰にでも簡単に自分の事をべらべら話すような人間じゃない。
でも、君には違う。
華穂。
君はまだ何も分かっていない。
鷹司煌、という極めて難しく繊細なひとりの人間のことを。
華穂は煌にとって初めての特別なんだと思うんだ。
孤独な自分をさらけ出せる唯一の存在なんだ、君は。
だから、煌は君のところに行くはずなんだ。
と、パスカルは物語の結末を分かっているような言い方だった。
そこまで言いきられるともう、頷くしかなかった。
「Oui……J'ai compris (分かったわ)」
煌が来たら連絡する事を約束して電話を切り、時刻を確認した。
20時。
もうこんな時間……。
21時になっても、22時になっても、23時になっても。
煌は来なかった。
でも、日付が変わって間もなくの事だった。