貧乏お嬢様と執事君!
パチッと次に目をあけると眩しい朝日が差し込んできていた。
握りしめられていた手を見ると、ぐっしょり濡れている。
いやな夢だった、と体を起こし、ボーとしていると
「おい。とっとと起きろ」
偉そうな口調で寝起きの彼女に言った男がいた。
男は紅い髪を適度に伸ばし、ぶっきらぼうな目つきで窓によりかかっていた。
「いつまで寝てんだ。太るぜ」
その男は、寝起きの彼女に手を差し伸べず、ただ無愛想な声を投げかけるだけだった。
「………何よレン。私にそんな口きいていいと思ってるのかしら」
「だめなんじゃね?鷹司グループの跡取り娘様にはな」
彼女、由姫華は鼻で笑った。