貧乏お嬢様と執事君!



パチッと次に目をあけると眩しい朝日が差し込んできていた。


握りしめられていた手を見ると、ぐっしょり濡れている。


いやな夢だった、と体を起こし、ボーとしていると


「おい。とっとと起きろ」


偉そうな口調で寝起きの彼女に言った男がいた。


男は紅い髪を適度に伸ばし、ぶっきらぼうな目つきで窓によりかかっていた。


「いつまで寝てんだ。太るぜ」


その男は、寝起きの彼女に手を差し伸べず、ただ無愛想な声を投げかけるだけだった。


「………何よレン。私にそんな口きいていいと思ってるのかしら」


「だめなんじゃね?鷹司グループの跡取り娘様にはな」


彼女、由姫華は鼻で笑った。


< 223 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop