貧乏お嬢様と執事君!
「今日の予定は?」
「んー………」
レンは胸ポケットから黒い手帳を出し、確認してから言った。
「今日はねぇけど来週の日曜日にはダンスパーティーがあるな」
手帳をしまいつつ、彼は黒いたばこケースを出し、口に一本加える。
タバコがすきなのだ彼は。
煙の臭さに顔をしかめつつ、由姫華は立ち上がった。
「キャンセルしといて。めんどくさい」
彼女はパジャマの袖から腕を抜いた。
眼の前で美女が着替え出しても顔色一つ変えないレンは、はっと短く笑った。
「キャンセルとか偉そうだな」
「偉いんだから」