貧乏お嬢様と執事君!


「なのに」


椿野はまっすぐ前を向いて言った。


「なんであなたたちがいるのかしらね」


「つれないな椿野さん。鷹司さんとのデートなら僕も付いていくと予測できなかったのかい?」


右隣でキザッたらしく金髪のウェーブをなびかせているのは井筒。


鷹司の熱狂的なファンを自称する彼は、どこから漏れた情報か不明だが血のにおいをかぎつけたサメのように今日くらいついてきた。


「私はお嬢様の安全を確保するのが仕事ですから」


胸の前で小さくこぶしを握るのは鷹司の執事、カイト。


ほぼ無理やり同乗してきて、さっきからお嬢様のお世話を笑顔でしている生真面目執事だ。


窓際で銀世界を眺めている鷹司の二匹のストーカーは、ちらちらとのぞき見るように鷹司を熱い視線チラ見している。


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