貧乏お嬢様と執事君!


数時間後にカフェを出た一向は目的のツリーへと移動した。


鷹司の紅茶が零れる、井筒のお茶の中にトウガラシが入っていたなどとカフェ内では事件がいくつか起こったのだが、あえて触れるまでもないので省略する。


あたりはずいぶんと暗く、空には満天の星空が輝いていた。


冬は日が落ちるのが早いもんだな、と井筒は思った。


隣で鷹司が未知へのツリーの期待を膨らませている。


実は何十回も見たことがある井筒だが、それは言わず自分も初めてという雰囲気を醸し出し


「楽しみだね鷹司さん」


「そうだね!」


と会話へありついた。


それだけのやり取りだったが、井筒には言い切れないような満足感が得られた。


真っ暗な道を光を求め歩き続ける男と女。


なかなかロマンチックじゃないな、と最高の喜びをかみしめた。


後は………


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