貧乏お嬢様と執事君!
「きったない倉庫ね。カイト、お茶」
ちゃぶ台に肘をつかせ、由姫華は命令を繰り出した。
カイトはいそいそと台所へ向かう。
レンは相変わらず不敵に唇を歪め、きょろきょろと物色している。
鷹司はじぃっと目の前でくつろぐ由姫華から目を離さないでいた。
「………なに?あまりじろじろ見ないでくれるかしら?」
不快そうに言い放つ由姫華に
「あっはは。ごめん」
素直に従う鷹司。
カイトはその声を聞きながら、茶の準備をしていた。
しかし急須を持つ手が震え、手早に淹れ終わらない。的から外し少量毀れてしまった。
なっなんで由姫華さまが………
何らかのようがなければここまで足を運ぶことはあるまい。