貧乏お嬢様と執事君!


残されたカイトが暇つぶしの内職でも進めようと座った時だった。


ノックもチャイムも声をかけることもなくドアが開かれた。危険を察知したカイトは素早く立ち上がり身構えた。


足音荒くやってきたのは


「ったく、相変わらずボロい部屋だなおい」


口元から煙を噴きだし、ニヒルに微笑んでいるレンだった。由姫華はいないらしい。


そのせいか、と自宅前でエンジン音が聞こえなかった理由を理解する。


「あのお嬢様、俺を何だと思ってんだろうな。車ぐれぇだしてくれっての」


偉そうに胡坐をかいたレンをカイトは睨みつける。


「まっコーヒーでも何でもいいから暖かいの出してくれ」


レンは慣れた手つきで携帯灰皿に灰を落とした。


< 259 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop