貧乏お嬢様と執事君!
残されたカイトが暇つぶしの内職でも進めようと座った時だった。
ノックもチャイムも声をかけることもなくドアが開かれた。危険を察知したカイトは素早く立ち上がり身構えた。
足音荒くやってきたのは
「ったく、相変わらずボロい部屋だなおい」
口元から煙を噴きだし、ニヒルに微笑んでいるレンだった。由姫華はいないらしい。
そのせいか、と自宅前でエンジン音が聞こえなかった理由を理解する。
「あのお嬢様、俺を何だと思ってんだろうな。車ぐれぇだしてくれっての」
偉そうに胡坐をかいたレンをカイトは睨みつける。
「まっコーヒーでも何でもいいから暖かいの出してくれ」
レンは慣れた手つきで携帯灰皿に灰を落とした。