貧乏お嬢様と執事君!


カイトは長い腕を伸ばしレンの胸ぐらをつかんだ。


ちゃぶ台が倒れ麦茶を入れたグラスが宙を舞う。柱時計が空しく揺れていた。


「みせものだと?僕たちがこんなに悩んでいるというのに………!ふざけるなっ!」


「ふざけてなんかいねぇさ」


相変わらずレンは余裕の笑みを崩さない。


「お前だけが悩んでんじゃねぇだろ?由姫華様も悩んでんだよ。どうやったらお前を手に入れれるか。どうやったら姉より自分を愛してくれるんだろうってな」


その言葉にカイトははっと目を見開いた。


胸ぐらを締め上げる力がゆるんだすきを見過ごさず、引き締められた腕を引き剥がした。


「由姫華様が………?」


「当たり前だろ?お前が………」


違う。そういう意味じゃない。


「姉より愛してって………」


「はあ?」


「つまらん冗談はよせ」


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