貧乏お嬢様と執事君!
カイトは意味もなく目をつぶり、その場で立ち尽くし続けた。
「私はもう迷わない」
玄関方面で物音がした。
「長い長い選択を迫られる旅は終わりました。」
靴を脱ぐしぐさを感じた。
「過去の約束と現の思慕。それらは私を縛り付け、一歩も前に進むことはできなくなっておりました」
何かポケットを探る音がする。
「どちらかを斬り捨て、私に向けられたもったいないほどの思いを、ズタズタに引き裂かなければなりませんでした」
ぴたりと動きが止まったような気がした。
「私は苦悩を虐げられました」
息をのむ声が聞こえた。
「答えは決まっているのに一方の茨が私を強くひきとめるからです」