貧乏お嬢様と執事君!


「約束より現を取ったってことだ」


すぅっとレンが幽霊のように突如現れた。


由姫華は真っ赤にした目をレンに向ける。うらみがましい瞳だった。


「あなた………これがねらいだったのね。私を一人にするのが目的だったのね!」


「人聞きのわりぃ。あんたがこのゲームに乗ったんだ。自分の意思でやるって決めたんだろ?」


メイドに目配せをし、レンは言った。


メイドはおどおどしながら席をはずし、逃げるように部屋から出て行った。


その背がなくなるのを見届け、彼再び夢かに目を落とした。


いつもの気丈な由姫華はそこになく、裏切られたという失望に染まっていた。


「………私はただ、貴方のことが好きだっただけなのに」


「好き?ちげぇだろ」


お気に入りの銘柄のたばこをくわえ、彼は見下した目で彼女を見た。


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