貧乏お嬢様と執事君!


もぐもぐとウインナーの濃厚な味を楽しみながら、エビの衣、今はエビフライを菜箸で取る。


逆の手で油断なくガスを止める。


ガス代節約だ。


力士が食べれば一瞬で消えていきそうな弁当箱に盛り付ける。


鷹司は力士ではないので安心だ。


またまた昨夜焚いておいたどこ産かも分からないご飯を少なめに入れる。


そしてまた冷蔵庫を開け、塩水に浸していたリンゴを手に収まりそうなほどの大きさの弁当箱に飾る。


安いデザート(おもにフルーツ)を盛り付け、その出来栄えに感嘆をはく。


出来上がった弁当は平凡中の平凡の内容だったが、男が作ったとしたなら花丸をやりたい。


自分に花丸をあげながら、カイトは余ったおかずをちゃぶ台に置く。


そして


「お嬢様ー!ご飯ができましたよー!」


家がブルっと震えるほど大きな声で主君を呼ぶ。


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