みだりな逢瀬-お仕事の刹那-
硬質の増した彼の箇所に触れると、ピクリと眉を寄せる彼。その反応に嬉々として、ことさら私のナカは潤いが増す。
――かの女性そっくりな女が今のあなたを求めるのは、どんな気分?
聞くのは簡単。だけど、それには決して触れてはならない。……私とこの男を繋ぐものは、あまりに脆いものだから。
触れるだけに留めていれば、社長はポーカーフェイスに切り替わってしまった。ウエストあたりを撫でていた男の手もすでに落ち着き払っている。
「まだ?」
そこでこの時間のじれったさに我慢ならない私は、彼の耳へ吐息を吹きかけて囁きかける。
「互いが良くなきゃ意味がないでしょ」
クッと短く笑って、さも当たり前だと言わんばかりの声が返って来た。
「女性には優しいのね」
「朱祢だけとは思わないんだ?」
「フッ、…よく言うわ」
「素直じゃないなぁ。もう知ってるくせに」
また笑って、“このラインが好きだ”と発した彼の指先がくびれをなぞる。
「ここ、やっぱり弱いね」
「っ、」
ツーと肌の上を滑っていくそれは情欲を煽るようで、今度はピクリと私の身体が小さく揺れていた。
しなやかなその指の動きと、じわじわと込み上げてくる内側の熱も然り。
今あるベッド上でのすべてが、彼のさっきの言葉を静かに肯定していた。