短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~

2歳年上の大地。
2歳なんて、たった730日かそこら早く生まれただけ。そのはずなのに、大地は学生の頃からいつも自信にあふれ、自分の行くべき道が分かっているように見えた。

反対に繭は、悩んでは立ち止まり進めば道に迷い、の繰り返し。

・・・大地は大柄だから、私より先が良く見えるのかな。

小柄な繭はいつしか、見晴らしの利く大地の後を追いかければ間違いない、と思うようになっていた。

大地の進んだ大学に、2年遅れだけど繭も真似して入った。
ゼミとかサークルとか、全部大地の真似をした。

「繭は優柔不断だなぁ」

大地は、もっと自分の考えを持ったほうがいいよと言ったけれど、簡単にそうできない繭を笑って許してくれた。


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