マスカレード【仮面de企画】
一時的に停電になったホールでは、今はミラーボールが色とりどりの光を投げかけている。

あれはトラブルだったのか、演出だったのか……


ほどなく夜光が息を切らしてやって来た。

ネクタイは外れ、仮面もどこかへ飛んで行ったようだ。

その後ろから来たのは、リュー王女で、こちらもかなり髪が乱れている。


「バイトにしちゃ、上出来だろ?」

俺は夜光に片眼をつぶってみせた。


「ありがとう。よくやった。あとは警察に引き渡そう」


「警察ならもう呼んでありますよ」

なめらかな声がした。


タキシード姿の若い男がゆっくりと近づいて来る。

俺よりは年上だろうか、背は高いが、やけに華奢な骨格だ。

女かもしれないと、俺は思った。


「このパーティーの主催者の柚月一星です。穏便にトラブルを解決して下さった事に感謝申し上げます。後は、わたくし共の方で暴漢を警察に引き渡します」


柚月が指をパチンと鳴らすと、屈強な体つきの男達が床に転がっている男を担いで連れ去った。


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