マスカレード【仮面de企画】
わたし達はまるで仮面の海を泳ぐ海月(くらげ)みたい。

輝いてはいるけれど、寄る辺なく漂うだけ。

いいえ

悟には恋人がちゃんといるわ

わたしは――一人ぼっち


「ねえ、わたし達、結婚すればいいんじゃない?」


わたしの言葉を聞いて、悟はシャンパンにむせた。


「何だって?」


「お互いの親が安心するわ。わたしなら、あんたが何人の恋人を作っても気にしない」


「やめてよ。僕はまだそこまで人生を投げていないって」

悟は、苦笑いを浮かべて言った。

「それに僕と違って、君は男性にも恋ができるだろ?」


「ええ」


「今は失恋して自棄になっているだけだよ」

悟は片手を上げて、優しくわたしの頬を撫でた。

「せっかくのパーティーなんだから楽しもう。そうだ! いい人を紹介してあげるよ」


いい人?

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