マスカレード【仮面de企画】
「面白そうですね。どんな賭けなんだろう」


悟の方をチラッと見ると、どうぞ言ってとばかりに優雅に一礼する。

いいわ

どうせ今夜だけのお遊びだもの


「今夜わたしがあなたを落とせるかどうか。わたしは落とせる方に、友達は落とせない方に五万円。金額が少なくてごめんなさい」


すると

意外にも柚月さんは大声で笑った。


「素敵な趣向だ。わたしにも一枚乗らせてもらえないかな」


「お好きにどうぞ」


柚月さんはわたしの手を取ると、うやうやしく手の甲にキスをした。


「では、今夜わたしがあなたを落とす事ができなかったら、百と五万円を寄付しましょう」


「あなたが勝った時は、どうすればいいのかしら?」


「あなたから魅惑の夜をいただきたい」


ワクワクするわ


「ステキね。その賭け、乗ったわ」

気分が高揚している割には、クールな声が出せた。

「何でわたしを楽しませて下さるのかしら?」


柚月さんが手を差し出した。


悟が小さく親指を上に向ける。

わたしは彼に投げキッスをして、柚月さんと一緒に仮面の海へと漕ぎ出した。


魅惑の夜を確信しながら




< 43 / 44 >

この作品をシェア

pagetop