先生とわたし
何で祐チャン、電話に出ないの!!
「失礼します。」
「お。どうした?」
「どうした?じゃないよ。何で美咲サンからの電話に出てあげないの?」
「いきなり何だよ。俺だって忙しいんだから、いつでも出れる訳ないだろ。」
そりゃそうだけど。
「そうだけど!!それで私に電話来たんだから。」
「マジかよ…。」
「ちゃんと電話してよ。…失礼しました。」
うわぁ~。
職員室でやっちゃったよ…。
「千華チャン。」
「石黒先生…。」
授業の道具を持って、私を追いかけて来た。
「あれは言い過ぎ。祐輔は電話来た事知ってたけど、その時生徒指導中だったんだ。」
「そうだったの?」
何も知らないのに、私ったら…。
「ちゃんと謝っておくんだからな。」
「はい…。」
きっと祐チャン、怒ってるだろうな…。
「ほら、授業の準備して。仕方ない、この時間だけは当てないから、その代わりに祐輔と仲直りすること。」
「あ、ありがとうございます。」
てことは、メールしてていいってことか。
石黒先生、ありがと。
--さっきはごめんなさい。何も知らないのに、言い過ぎました。--
お願い。
祐チャン返事ちょうだい…。
--俺の方こそごめん。ちゃんと姉貴に電話したから。--
--ほんと、ごめんね(涙)--
怒ってるなら、素直に怒ってるって言って欲しい。
でも、祐チャンは優しいから…。
--大丈夫。てか、授業はいいのか?--
やっぱりここだけは先生なんだ。
--石黒先生から許可貰ってるから、大丈夫だよ☆ちゃんと仲直りしろ。だってさ。--
--智輝らしいな。仲直りもなにも、別に喧嘩した訳じゃないんだし。だから、もう授業受けろ。--
--うん♪--
「じゃあ千華チャン、15行目から読んで。」
「はい。…。」
石黒先生は、私がメールを止めたのを確認すると、授業に参加させてくれた。
………
……
…
もう一つの授業も受けて、放課後になった。