森林浴―或る弟の手記―
佐保里姉さんが人とは思えない足取りで向かった先は、早苗の前でした。
そして、戸惑う早苗の顔を真っ直ぐに見詰めました。
その横顔は何とも言えぬものでした。
佐保里姉さんが何を考えているのか、さっぱり分かりませんでした。
佐保里姉さんはすっと細い腕を伸ばし、早苗の頬に触れました。
早苗は驚きを隠せないようで、瞳をしきりに動かしていました。
佐保里姉さんは早苗の頬を優しく撫でながら口を開いたのです。
「生きていたのね、早苗……」
佐保里姉さんの言葉を聞いた早苗の横顔は徐々に歪んでいきました。