森林浴―或る弟の手記―
私がそう告げると、佐保里姉さんは再び泣きました。
そして、ありがとう、と言ってくれたのです。
私はふいに浮かんだことを口にしました。
生家の郵便受けに入っていた金。
あれはもしかしたら、佐保里姉さんだったのではないでしょうか。
佐保里姉さんが遊郭に身を落とした時期と、郵便受けに金が入るようになったのは同時期です。
私がそれを尋ねると、佐保里姉さんはちいさく頷きました。
やはり佐保里姉さんだったのです。
佐保里姉さんは、幼い私の為に金を寄越し続けたとのことでした。
私は佐保里姉さんに感謝してもしきれない気持ちになりました。
佐保里姉さんが身を売った金は、本当に私を助けてくれたのです。