森林浴―或る弟の手記―




佐保里姉さんは暫く店も休み、泣いて暮らしました。


私たち家族は、その様子を静かに見守ることしか出来ませんでした。


佐保里姉さんが表を愛することが出来たのは、嘉一さんの事件をようやく吹っ切れることが出来たから。


なのにまた、佐保里姉さんは辛い出来事を背負わなくてはならなくなったのです。


それが私には可哀想でなりませんでした。


佐保里姉さんはいつまでも、こんなことを繰り返していくのか。


そう思えてなりませんでした。


私の中に、佐保里姉さんが人の人生を狂わせる、という考えはなかったのです。




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