森林浴―或る弟の手記―




何故なら、私の人生は佐保里姉さんと関わっている時のほうが順調だったからです。


佐保里姉さんが嫁いでから、紫野家の財産は減りましたし、佐保里姉さんからの手紙が届かなくなってから、父は自殺、母は入院しました。


佐保里姉さんと再会してから、仕事も上手くいき、社長の地位にも納まりました。


幸乃との結婚、正世の誕生。


会社の成功。


全て、佐保里姉さんが私の傍らにいるのです。


なので、渡しにとって、佐保里姉さんは幸福の女神とも言えました。


ですから、佐保里姉さんが不幸を招いているとは到底思えなかったのです。



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