森林浴―或る弟の手記―
鬱ぎ込む佐保里姉さんに、修介は必死になって接しました。
毎日学校であったことを面白可笑しく話し、出来るだけ佐保里姉さんを笑わせようとしていました。
私や幸乃も同じような努力をしました。
早く佐保里姉さんに笑って欲しい。
家族の願いはそれだけでした。
毎日、皆で交代に佐保里姉さんの部屋に行き、楽しい話をする。
少しでも佐保里姉さんが微笑めば、安堵する。
それの繰返しが続きました。
それでも私たちは佐保里姉さんを見離すことはなく、部屋に通いつめていました。
ようやく佐保里姉さんに笑顔が戻った時、修介は中学三年生になっていました。
そして、溢れんばかりの美貌を持っていました。