僕の彼氏は男の娘
「ねぇ、ねぇあなた!」
莉玖が後ろを振り返れば、そこにいたのは
同学年のしるしである青いリボンをつけて目をきらきらさせる少女の姿。
「何?」
「あなた超かわいいね!私の彼女にならない?」
「へ?」
「あっ、間違えちゃった。てへっ。かわいい女の子を見るとつい反射的に
いっちゃうの、困ったものねwまずは自己紹介から始めないとね。
私の名前は高梨貴亜っていうの。下の名前で呼んでね!
あなたのお名前は?」
機関銃のように次々と口から飛び出てくる言葉を
飲み込めないまま莉玖は答える。
「僕…?僕は結崎莉玖…だけど?」
と。
…と、莉玖が言い終わるか終わらないかといったタイミングで、
貴亜がぼすっと音がするほどに勢いよく莉玖の胸に飛び込んだ。
正しく言えば、抱きついた。