Honey×Kiss*幼なじみは王子さま

知ってたのに…いざ、聞いたら辛いです……。



グズグズ一目も気にせず泣いていたら



「おい、コラ。図書室と逆方向だぞ」



背中越しにどす黒い声が。



「泣いたら余計ブスだな、お前」

「か…っ。楓くん」

「喋る暇あるなら泣きたいだけ泣けよ」



一度は酷く言われたけど、二度目は反対に優しい言葉が降ってきた。


声が上擦って喋れない私は、頷くと泣き顔を見られたくなくて下を向いたまま泣く。


それから楓くんは私が泣き止むまでずっと隣にいてくれた。



*知っていたのに*



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