Honey×Kiss*幼なじみは王子さま
河川敷に付くと、たくさんの屋台が並んでいて平行するように人もぞろぞろと集まっていた。
人混みの波から逃れるように、間をぬって人気のない場所へ移動する。
前を歩く楓くんにはぐれないようテクテクと早足で歩いてたら後ろを向いてた背中がこちらに向く。
「お前どんくさいからはぐれるなよ」
自然と後ろを振り向き、楓くんはさっと私の小さな手を引いて歩き出した。
「…すいません」
「謝る意味わかんねぇし」
短い言葉を交わしてたら、手から伝わる体温の上昇に気づいてドキッと胸が鳴る。
この場所が熱いのか…繋がれた手が熱いのか。
どちらとも言えない答えに私の顔は、ほんのり赤に染まって。
揺れる前髪に瞳を隠した。