アナログ三姉妹
「なにも、あんな言い方しなくたって…」
姐さんが悲しい顔をしている。
涙で濡れた頬を舐めると、
お返しに首回りを掻いてくれた。
これに弱いんだよ。
眠たくなる…。
「でも、でもひどくない?」
ZZZZzz…。
「転勤するの黙ってたんだよ?ひどいよね?」
冷たいものが鼻を濡らした。
「…言えなかったんだよね?お兄ちゃん、私が淋しがるから」
俺は姐さんを見上げた。
「ひどいの、私なんだよね?」
俺は頷いた。
わかってんじゃねーか。
「お兄ちゃん、私が心配なんだよね?」
わかってんならよ、
本人にそう言やいいじゃねーかよ。
顔を突き合わせると、
反対のことばっか言いやがって。
ったくよー。