You and I
すっかり空になったプリンの器が二つ。
ちなみに、僕は食べていない。
時計の音が響く静かな部屋で
先に沈黙を破ったのは樹里の方だった。
「なぁたん?」
「んー?」
僕は宿題に視線を向けたまま返事をする。
再び長い沈黙が訪れて
教科書の次をめくろうとしたその時
「なぁたん、あの人、の事好き、なのー?」
と口を開いた樹里。
…やっぱそれが原因か。
コロンとシャーペンをノートに置いて
「まさか。」
と僕は答えた。
だけど樹里はそれだけじゃ納得出来なかったらしい。
「…だけど、あの人に、告白…された、んでしょー?」
「そうだよ?」
「なぁたんは、嫌って、言ったのー?」
「うん。ごめんねって言った。」