You and I


今思えば
樹里に「嫌い」なんて言われた事

今まで、一度もなかったと思う。




喧嘩した時も
樹里は僕にそんな事言わなかった。



だからこそ僕は。


頭に来た、とか
悲しい、とか
そんなんじゃなくて。


目の前でただ泣いて理由すら言わない樹里に
無償に苛立ちを覚えた。






「何だよそれっ!俺は樹里を思って言ってるだけだろ!?」


だけど僕は


「もういいよ。勝手にしてくれ。」


まだ、わかっていなかったんだ。






「なぁたん…!」




樹里にとって
手術をする、っていうのはどうゆう事か。


樹里がどうして
聞こえなくてもいい、なんて言ったのか。





僕は、わかってあげられなかった。







ごめんね、樹里。





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