You and I


「尚斗くんは?って聞いたら、これからは一人で行くって……。」

「…そうですか…。」



ごめんねぇ。と眉を下げるおばさんに会釈を返して
僕は樹里の家をあとにする。





どうやら僕は
樹里に置いていかれたらしい。




……何だよ。

何なんだよ!



「あぁ!くそっっ!」



やりきれない気持ちを胸に道端に転がる石を思い切り蹴った。


だけど僕の苛立ちは収まる所か
更に増殖して。




何だよ、あいつ!


一人で学校行けるんじゃないか。


それなら僕が迎えに行ってやったり
起こしてやったり

今までは一体何だったって言うんだよ!




……もういい。


あんな奴、もう勝手にしろ!




やり場のない苛立ちが
僕を支配していった。




< 32 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop