You and I
「尚斗くんは?って聞いたら、これからは一人で行くって……。」
「…そうですか…。」
ごめんねぇ。と眉を下げるおばさんに会釈を返して
僕は樹里の家をあとにする。
どうやら僕は
樹里に置いていかれたらしい。
……何だよ。
何なんだよ!
「あぁ!くそっっ!」
やりきれない気持ちを胸に道端に転がる石を思い切り蹴った。
だけど僕の苛立ちは収まる所か
更に増殖して。
何だよ、あいつ!
一人で学校行けるんじゃないか。
それなら僕が迎えに行ってやったり
起こしてやったり
今までは一体何だったって言うんだよ!
……もういい。
あんな奴、もう勝手にしろ!
やり場のない苛立ちが
僕を支配していった。