蜜色オフィス


私はもう、誰も好きになれない体質なのかもしれない。

バカバカしいって思いながらも、本気でそんな事を考えてた時だった。
宮坂の部屋で、目が覚めたのは。


「なんか自分でも不思議なんだけど……。
気付いたら、すごく好きだった」


人を好きになる気持ちさえ、見失いかけてたのに。
気付いた時には……、すごくすごく好きだった。

宮坂を好きな理由なんか思いつかない。
きっかけだって、そう。

だけど、宮坂じゃなくちゃダメな何かがあるんだ。


「そっか。なら安心。
あ、でも、社内でのやらしー事は場所を選んで……、」
「ストップっ!
……梢こそ、場所を選んで話してよ」


一緒にいるだけで嬉しくて。
触れただけで満たされる。

私全部で、宮坂を必要としてる。

“赤い糸”なんて言葉を、信じたくなるほど。


私は、どうしょうもなく宮坂に惹かれてる。


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