蜜色オフィス
こんなの、ズルイ。
こんな優しいキスされて……、愛しそうに見つめられて、名前を呼ばれて。
……適わない。
好きな人に、こんな風に優しく追及されて、適うわけなんかない―――。
「沖田さんの条件を、簡単にのめたわけないじゃん……っ!
無理だったから、宮坂にさよならが言えなかったんでしょ……っ。
なのに……、軽い気持ちだったみたいな事言わないで……っ」
一度口を開けばもう、止まらなかった。
「いっぱい悩んで……、それでも答えが出なかったから、何も言えなかったんだもん!
宮坂の事を思えば、別れた方がいいって思ったけど……、でも、別れたくなかったから……っ。
だから、私……っ」
「ごめん」
止まらない涙を指でぬぐいながら、宮坂が言う。
滲む視界には、困り顔で微笑む宮坂が映ってた。