蜜色オフィス


両親が強引に決めた政略結婚。

周りにも誰も社長の意志を聞いてくれる人はいなくて、頷くしかなかったって宮坂に聞いたけど……。
社長はそれをずっと後悔して責任を感じてたんだ。

ずっと、どうにかして償いたかったのかもしれない。


「千明への執着は、自分と同じ立場にありながらも飄々としている千明が気に入らなかったんだろう。
入社試験も実力でパスして、仕事にも真面目で。
そういう態度が、自分へのあてつけに思えて……、まぁ、八つ当たりに近いな」
「ただ気に入らないだけだって言ったろ。そいつの顔見てるとイライラするんだよ」


この部屋に入ってきて初めて聞いた沖田さんの声。
心なしか、なんだか元気がないように感じた。




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