隣の席のキミ



「ねぇ、ノートうつさせてよ~」
「んっ!?」
声をかけただけなのに、前野は大袈裟なリアクションをした。
「そんなに驚かなくても…」
ふと前野を見ると、顔に寝あとがついていた。
あぁ、通りでそのリアクション。
「前野…寝てたんでしょ?」
「ん~まぁね~(笑)ハァ~ア」
眠そうなあくびをして、前野はそう答えた。
見事、図星。
「ってことは前野もノート書いてない?…よね」
「その通り~」
やっぱり…。
はぁー。
隣が前野だと、私も大変。
てか私がちゃんと授業聞いてればいいだけの話なんだけどね~(笑)
まぁ、ノートはあとで真菜に見せてもらおう。
ガラ…。
授業が終わって早々担任が教室に入ってきた。
そして、解散したあと先生に職員室に来るようにと言われた。
またですか…。
職員室、ちょっと怖い…。
だって入ると先生達の目線が…。
でも、そんなこと言ってたら学生もつとまらないし。
私は用意を終えて、職員室に向かった。


ガラ…。
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