隣の席のキミ

放課後 Yuuto




今、現在。
俺たちのクラスは、担任の声でみんな解散した。
「藤田~。図書室行こうよ!」
話しかけてきたのは、俺と二人で旅行の実行委員をやっていた山城。
そう、今日の放課後は図書室でその事についての作文を書くらしい。
本当、めんどくさい。
「おお、行こうぜ~」
筆入れのみ、片手に持って、俺達は図書室に向かった。


―――――図書室には他のクラスの実行委員も集まっていた。
まぁ、俺らのクラスだけだったら、マジ災難だったし、当たり前。
ふと集まっていた人々を見ると、他のクラスの実行委員は、みんないわゆる「まじめ君」や「まじめちゃん」ばっかり。
1―4の実行委員だけ確実に浮いている。「藤田…。な、なんか気まずいね…」
小さな声で話しかけてきたのはもちろん山城。
真面目オーラが漂うシーンとした図書室。そこに俺達はいるんだから、気まずいに決まってる。
「まじめ君」や「まじめちゃん」達は一言も喋らずに先生を待っている。
と言ったってまだ集合5分前だ。
俺達にとっては結構早く来た方。
「だな。先生ぇ早く来ないかな~」
そう俺が呟くと、先生は来た。
しかも図書室に入ってきたのは国語教師ではなく、あの担任の中山。
ったく。
なんでよりによって担任なんだよ…。
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